09/06
54年目の「アカトンボふる里さがし大作戦」は、歴代3番目のマーキング数(53,425個体)となりました
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ご参加いただいた皆様、ありがとうございました
10月のアカトンボふる里探しにも、ご協力をお願いします
◯御在所岳でのアキアカネマーキング調査活動
アキアカネは羽化した後、山などの涼しい場所に行き、秋になると平地に戻り、田んぼや池で産卵します。その行動範囲を調べるために御在所岳(三重県三重郡菰野町)にて1971年(昭和46年)マーキング調査が始まり、現在でも「アカトンボふる里さがし大作戦」というイベントを通じて調査が続いています。ECCOMでは、身近な自然の不思議をイベントやプログラムを通じて伝える活動をしており、長年続くこの調査を2007年より引き継ぎ実施しています。
実施時期:2025年7月19日~8月31日
参加者総数:7,888名 アキアカネへのマーキング総数:53,425個体
◯Gマークの発見
8月15日に菰野町千草の「三重県民の森」(発見者:篠田直毅さん)、8月16日に湯の山温泉街にて(発見者:笹野弘美さん)、8月26日に朝日町白梅の丘、さらに9月6日に四日市市少年自然の家にて、翅に「G」マークのあるアキアカネが発見されました(「G」は御在所岳のイニシャルで、イベント参加者が翅に「G」を知ることで、その後の活動を調査しています)。
通常、産卵シーズンである10月頃の発見が多い中、早い時期での発見となりました。
三重県総合博物館の大島学芸員(昆虫学)コメント
「アキアカネの平野部への移動は、まだ本格的に始まっていないと考えられますが、この時期の朝晩の寒暖の差により、多少の個体の垂直移動はあるのではないかと考えています。いくつかそのような例は確認されている中で、「G」マークを記された個体が、偶然捕獲されたものと考えています。「G」マークを付けた個体がどこで得られたか、時期別に記録することで、どの時期にどれだけ広がっていくか紐解く一例になるのではないでしょうか」
◯今後へ向けて
今回の発見者のうち篠田直毅さん(7歳)は、2年ほど前から、学校で配布された情報を見て、毎年参加しているといいます。本イベントがきっかけに、虫取りを好きになったり、生物の生態系に興味を持つようになった、とコメントをいただいています。50年以上続く調査ですが、こうした形で次の世代にも興味を持っていただけるよう、活動を継続することが我々の使命だと考えています。
ECCOMは、引き続きGマークされたアキアカネの情報を募集しております。皆様から情報をお寄せいただくことにより、まだまだ謎が多いアキアカネの生態を解明すること、ひいてはアキアカネが生息する環境を知り、保全へと繋げたいと考えています。